ワーキングメモリー

 部屋に入ったとたん、なぜ部屋に入ったのか忘れたり、友人に用件を伝えるために電話をしたのに、結局世間話で終わったり。このような経験はありませんか。度重なるとついに自分もボケたのかと心配になって、脳神経外科に来院される患者さんがいらっしゃいます。

 そのような場合、ほとんどが、認知症(記憶力が著しく低下し、日常生活に支障を来す症状)ではなくて、ワーキングメモリーの不具合による生理的な物忘れです。私たちはもちろん動物ですから、日常生活を何か目的をもって動いています。動くときにちょっと前のことを覚えておくことと、ちょっと後にしようと思っていることを覚えておかないと、行動がぎくしゃくして連続して行えません。それらの情報を短時間ですが、光を当てて注目しておく必要があります。それを行っているのがワーキングメモリ−です。

 英語ではworking memoryで、文字通り動いているときに働く記憶という意味です。めがねを探しに別の部屋に入ったのに、床に500円玉が落ちているのを発見したりすると、めがねという情報に当たっていた頭の中のスポットライトが500円玉に移ってしまいます。500円玉を拾った後に、スポットライトが元の位置を覚えていないと、何のために部屋に入ったのか思い出せません。

 これは誰にでも起こる、注意力散漫による物忘れです。やっぱり、目的を先に達成してから、余裕を持って次の行動に移ることが大切なようです。

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