アウトカム評価は回復期リハビリになじむか
2004年に脳神経外科医から私企業研究所のサラリーマンとなった時、強いカルチャーショックを覚えた。それは新製品開発工程のGo/Not Goを決める評価サイクルが早いことであった。研究開発に無駄な物的および人的投資を行うことをできるだけ避けるというのは、利益を出すことがなによりも求められる私企業では仕方ないのかもしれない。さらに、利回りを早く確定し、リスクを避けたいという株主のニーズに従って、四半期(わずか3ヶ月)毎に業績を株主に対して公開している(四半期経済)。利益を確定するためには、長期的な展望に立つ独創的な市場の開発よりも、短期的な既存製品の改良を出して行く戦略が手っ取り早い。その結果、販売される製品群は他社の改良版ばかりとなり、製品価値が低下し、新興国の価格競争戦略につけ込む隙を与えた。 アメリカで始まった四半期経済はアメリカの体力を著しく衰えさせたが、最近ではベンチャー企業の勃興が経済の新陳代謝を促し、現在では成長路線に入ってきている。翻って日本を見ると「出る杭を打つ」という横並び主義によりチャレンジャーが育たず、新陳代謝が行われていない